日常をちょっと斜めから・・
by aruku-aruku
メイド・イン・カッシーナ展 2009.4.24FRi.-6.7SUN. 森アーツセンターギャラリー 六本木ヒルズ森タワー52F
正月を前に寂しい話ですが
 いやあ・・久しぶりにここへ帰ってきました。みんな私のことなんか忘れてるだろうなあ。まして、師も忙しく走り回る月だものね。
 正月を前にしてなんですが、寂しい話をします。実は今月末で私がとても気に入っていたお店が2軒閉まるのです。一軒は京都のフランス料理店オー・トロワM。親父がひとりでやっている店で、十人座れるかどうかの小さな店です。料理学校の先生をしていた親父が20年前に店を開いたということです。知人の紹介で知ったのは、つい最近のことでした。お客の顔を見てから調理するようで、愛情がいっぱい盛られた料理を出してくれました。料理はもちろん親父の人柄にもファンが多く、毎年正月明けにはお客とフランスへ本場のフランス料理を味わいに行くツアーをやっていたそうです。時には郊外のワイン農場へまで足を延ばしたそうですよ。昼食のハンバーグ定食が私はお気に入りでした。昨日最後の食事に行ってきましたが、この親父さんとは店が無くなってもお付き合いしたいと思います。名刺を渡して帰って来ました。
 もう一件は東大阪の焼き鳥屋「鳥ひろ」。会社勤めをしていた主人が17年前に脱サラをして始めた焼き鳥屋です。同僚に「焼き鳥屋をしようかな」と言ってしまった手前引けずに始めることとなったそうです。一徹な性格はその味にも出ていました。今の焼き鳥屋のほとんどは、冷凍配達の串を焼くだけだと聞いています。でもここは違います。材料の仕入れから、調理、串に刺すまで主人ひとりがやってきました。うまいのは当たり前、相当、鳥屋へ通い詰めた御仁を連れて行っても「参った」と言わせる店でした。たくさん用意出来ないのですぐ品切れするのが難でしたが。ここは開店直後から行っていた店なのでたくさんの思い出も一緒に封をされるようで特別寂しいですね。
 この二つの店の主人はいずれもサラリーマンなら定年ちょっと過ぎた年齢です。まだまだ若いのですが「もっと続けてください」なんて無理は言えない気持ちです。人に任せず、お客に喜んでもらえる料理作りに開店の何時間も前から、見えない場所で頑張ってきたわけです。「疲れたわ!」という言葉には本当、実感があります。後を継ぐ人がいないのも分かる気がします。まだまだ元気な内に残りの人生、存分に好きな釣りや旅行をして欲しいですね。
 人の愛情のかけらも入らない機械で大量に作られた食材を配送、冷凍保存し、火を通すだけで客に提供するのが今のファミリーレストランです。そんな味しか知らない人が増えてくるのは怖いですね。オー・トロワMも鳥ひろも家族揃って行ける庶民的な価格の店でした。来年は早々からこんな素敵な店を探さなければ!皆さん、おすすめの店がありましたら教えてください。
by aruku-aruku | 2005-12-29 02:55
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